SoftEther VPNは、日本発の高機能なオープンソースVPNソフトウェアで、セキュアなネットワーク接続を実現できるツールとして多くのユーザーに利用されています。
その中でも「SoftEther VPNクライアント」は、リモート接続や学内・社内ネットワークへのアクセスを行う際に便利なクライアントソフトです。
とはいえ、「初めてで設定方法が分からない」「VPNサーバーへの接続がうまくいかない」といった声も多いのが現実。
この記事では、SoftEther VPNクライアントのインストールから接続までの手順を、初心者にもわかりやすく解説します。
これからVPN環境を構築したい方や、安全な通信を確保したい方は、ぜひ参考にしてください。
SoftEther VPNクライアントとは
SoftEther VPNクライアントとは、SoftEther VPNサーバーに接続するためのWindows向け専用ソフトウェアです。
筑波大学が開発したオープンソースのVPN(仮想プライベートネットワーク)技術で、企業や教育機関、個人ユーザーまで幅広く利用されています。
主な特徴
特徴 | 内容 |
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GUI操作で簡単 | コマンド不要。画面上の操作だけでVPN接続できる |
仮想ネットワークアダプター内蔵 | VPN専用の仮想アダプターを作成して安全に通信 |
高い互換性 | SoftEther VPN Server や VPN Gate にも接続可能 |
無料で利用可能 | オープンソースで誰でも無料で使える |
セキュリティも安心 | SSL-VPN通信や暗号化プロトコル対応で安全な接続が可能 |
できること(用途)
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学校・会社のネットワークにリモートで安全にアクセス
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海外から日本のネットワークへ接続
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VPN Gate(ボランティア中継VPN)経由で地域制限を回避
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公衆Wi-Fiでも通信を暗号化してセキュリティ強化
SoftEther VPNクライアントの接続方法
SoftEther VPNクライアントを使えば、遠隔地から安全にVPNサーバーへ接続し、会社・大学・自宅ネットワークにアクセスすることができます。
ここでは、Windows環境でSoftEther VPNクライアントを使って接続する手順を、初心者でもわかるように紹介します。
手順1:SoftEther VPNクライアントのインストール
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SoftEther公式サイトにアクセス
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「Downloads」→「SoftEther VPN Client」を選択
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お使いのOS(Windows)に対応するインストーラーをダウンロード
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セットアップウィザードに従ってインストール(VPN Client + VPN Client Managerを選択)
手順2:仮想ネットワークアダプターを作成
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「VPN Client Manager」を起動
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上部メニューから「仮想ネットワークアダプタの管理」を選択
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「新しい仮想ネットワークアダプタの作成」をクリック
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名前はそのままでOK → 作成 → 完了
手順3:接続設定の作成
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メイン画面で「新しい接続設定の作成」をクリック
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接続名を任意に入力(例:「社内VPN」)
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以下の項目を入力:
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ホスト名またはIPアドレス:VPNサーバーのアドレス
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ポート番号:通常は443(変更されている場合もあり)
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仮想HUB名:サーバー管理者から指定された名前
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認証方式:ユーザー名とパスワード/証明書 など
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入力が完了したら「OK」で保存
手順4:VPN接続の実行
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作成した接続設定を選択
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右クリック →「接続」を選ぶ
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認証情報(ユーザー名・パスワードなど)を入力
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正常に接続されると「接続中」と表示され、通信がVPN経由になります
手順5:接続の切断
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接続を終了したいときは、接続中の設定を右クリック →「切断」を選択
SoftEther VPNクライアントが接続できない・繋がらない
SoftEther VPNクライアントを使って接続を試みても、「接続できない」「応答がない」「すぐに切断される」といったトラブルに遭遇することがあります。
ここでは、SoftEther VPNクライアントが繋がらない主な原因とその解決方法をわかりやすく解説します。
1. ホスト名・IPアドレスが間違っている
VPNサーバーのアドレスが誤っていると接続はできません。
特にVPN Gateなどの公開VPNでは、サーバーが頻繁に変わるため注意が必要です。
→ 対処法:
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サーバーのホスト名やIPを再確認(VPN提供元の最新情報を確認)
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ドメイン名で接続する場合はDNSが正しく機能しているか確認
2. ポート番号が違う/ブロックされている
デフォルトのポート番号(例:TCP 443など)がサーバーと一致していない、またはネットワークで遮断されている場合があります。
→ 対処法:
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サーバー管理者にポート番号を確認
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学校・職場・公共Wi-Fiではポート制限がある可能性 → モバイル回線や別ネットワークで試す
3. 認証情報が間違っている
ユーザー名・パスワード・証明書などの情報が誤っていると、認証で失敗します。
→ 対処法:
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ユーザー名/パスワードを再確認(コピペで余分なスペースに注意)
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認証方式(パスワード/証明書/RADIUS など)が正しいか確認
4. 仮想ネットワークアダプタの不具合
仮想ネットワークアダプタが未作成・破損していると、接続はできません。
→ 対処法:
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VPN Client Manager →「仮想ネットワークアダプターの管理」→ 再作成
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一度アダプタを削除して再インストールするのも有効
5. ウイルス対策ソフト・ファイアウォールの干渉
セキュリティソフトやWindows DefenderがSoftEtherの通信をブロックしていることがあります。
→ 対処法:
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一時的にウイルス対策ソフトやファイアウォールを無効化して接続テスト
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SoftEther VPN Client を例外リストに追加
6. VPNサーバー側の問題
サーバーがオフライン、または制限中である場合、クライアント側の設定が正しくても接続できません。
→ 対処法:
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管理者または提供元に連絡し、サーバー状況を確認
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VPN Gateの場合は、別のサーバーを選び直す
まとめ
SoftEther VPNクライアントは、
- VPN初心者でも使いやすい
- 無料で高機能
- リモートアクセスやプライバシー保護にも対応
といった利点があり、手軽にVPN環境を構築したい人におすすめのソフトウェアです。
リモートワークや海外からの安全なアクセスが必要な方は、ぜひ活用してみてください。
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