NordVPNには、通常のVPN接続とは別に「特殊サーバー(Specialty Servers)」と呼ばれる便利なカテゴリが用意されています。
これらは用途に応じて最適化されており、より高いセキュリティ、より安定したP2P通信、より信頼度の高いアクセスなど、状況に合わせた使い分けが可能です。
本記事では、NordVPNが提供する特殊サーバーの種類(Onion Over VPN/Double VPN/Obfuscated/P2P/Dedicated IPなど)をわかりやすく整理しつつ、それぞれの特徴・メリット・適した利用用途を詳しく解説します。
「どのサーバーを選べばいいの?」「配信サービスを見る時は?」「セキュリティを強化したい」などの疑問にも対応できる内容になっています。
用途に合わせた最適な設定を知り、NordVPNを最大限活用しましょう。
目次
NordVPNの特殊サーバーとは
NordVPNの「特殊サーバー(Specialty Servers)」とは、通常のVPNサーバーとは異なり、特定の目的や利用シーンに最適化された専用サーバーのことです。
標準サーバーは「高速」「汎用性」「安定性」を重視した一般的なVPN接続に向いていますが、特殊サーバーは以下のような明確な用途に対応しています:
- プライバシーを強化したい
- P2P(Torrent)通信を行いたい
- 配信サービスや検閲を回避したい
- より高度なセキュリティ環境を使いたい
- 固定IPが必要
こうした特定のニーズに合わせて設計されているため、利用シーンに応じた使い分けが可能になります。
NordVPNの特殊サーバーの種類
ここからは、NordVPNの特殊サーバーを種類ごとに解説していきます。
Obfuscated Servers(難読化サーバー)
Obfuscated Servers(難読化サーバー)は、VPNを検閲や監視から隠すために設計されたNordVPNの特殊サーバーでVPN通信を通常のHTTPSトラフィックに偽装する仕組みを持っています。
そのため、以下のような環境で特に力を発揮します。
- 通信制限・VPNブロック環境で有効
- 中国本土などの強いインターネット検閲地域
- 企業ネットワークや学校Wi-FiなどでVPNが遮断される環境
- 政府・ISPによるVPN利用制限がある国や地域
- 公共Wi-FiでVPN接続が不安定な場面
難読化サーバーを使うことで
- VPN接続そのものが検知されにくくなる
- 接続拒否エラー(VPN検知型ファイアウォール)を回避しやすい
- 特定サービスへのアクセス制限を突破できる場合がある
デメリットとしては
- 暗号化処理が増えるため速度が低下しやすい
- 対応プロトコルがOpenVPNのみ(現時点)
- 常用には向かない場合がある
使い方の例(PC)
- NordVPNアプリを開く
- 設定(Settings)→VPN ProtocolでOpenVPNを選択
- “Obfuscated Servers” を有効化
- Obfuscatedのサーバーに接続
こんな人におすすめ
- 海外出張でVPN制限のある国へ行く
- 学校や会社のVPNブロックを回避したい
- 通常VPNが切断される環境で安定させたい
難読化サーバーは「速度より接続成功率を優先したい場面」で役立つ特殊サーバーと言えます。
Onion Over VPN(オニオンオーバーVPN)
Onion Over VPNは、NordVPNが提供するTor(Onionルーティング)とVPNを組み合わせた特殊サーバーで、Torブラウザを使わずに匿名性を強化できるのが特徴です。
仕組み
- まずVPNでNordVPNサーバーに接続
- その後トラフィックを自動的にTorネットワーク上へ再ルーティング
→ 最終的にはVPN + Torの2段階匿名化が行われる構造になります
メリット
- 匿名性・プライバシー保護を最大化できる
- ISP(インターネットプロバイダ)からTor利用が見えない
- Torの入口(エントリーノード)が保護される
- 発信元が特定されにくい
- ダークウェブ (.onionドメイン) にブラウザだけでアクセス可能
つまり、通常はTor利用者として識別されますが、Onion over VPNではISPはVPN利用しか認識できない。
デメリット
- Torネットワークを通るため速度がかなり遅い
- 動画視聴やダウンロードには不向き
- オンラインゲームには適さない
- 一部サービスでは認証が通らない場合あり
おすすめ利用シーン
- 匿名性を最大化したい人
- 身バレしたくないネット活動
- セキュリティ研究
- ダークウェブ(.onion)へアクセス
- 監視社会下での安全な通信
注意点
- 犯罪目的での使用は違法
- 匿名性は高いが完全ではない
- 速度より匿名性優先の用途向け
Double VPN(ダブルVPN)
Double VPNは、NordVPNが提供する二重VPNルーティング機能で、通信を2つのVPNサーバー経由で暗号化する特殊サーバーです。
通常のVPNよりもプライバシー保護を大幅に強化できます。
仕組み
- 端末 → VPNサーバー① → VPNサーバー② → インターネット
という形でトラフィックが通過し、2回暗号化 + 2回IPアドレス変更が行われます。
メリット
- 発信元(あなたのIP)が特定されにくい
- 中間経路での盗聴対策が強化
- 国境をまたぐ通信で追加の匿名性
- ISPや監視機関からの追跡が困難
特に効果が高い場面
- 監視強度の高い地域での通信
- 敏感な情報の送受信
- ジャーナリスト・活動家の保護
- プライバシー優先の利用者
注意点
- 暗号化が増えるため通信速度は低下
- 動画視聴やゲームには不向き
- すべての地域で利用できるわけではない
対応サーバー例(組み合わせ)
- Canada → US
- Netherlands → UK
- France → Netherlands など
※NordVPNアプリ内で選択可能
適している人
- より強い匿名性が必要な人
- プロファイリングや追跡を避けたい人
- 公共Wi-Fiでの安全性を高めたい人
P2Pサーバー
P2Pサーバーは、NordVPNが提供するP2P(ピアツーピア)通信専用に最適化されたVPNサーバーです。
主にトレントや分散型ファイル共有など、P2Pプロトコルを利用する用途で安定した速度と帯域を確保できます。
特徴
- P2Pアプリ(BitTorrent、qBittorrent、μTorrentなど)に対応
- 帯域制限を回避しやすく、速度が出やすい
- サーバーがP2P通信を想定しているため接続が安定
- トラフィックを暗号化することでISP(回線業者)から利用内容を隠せる
なぜP2Pサーバーが必要なのか
P2P通信は特定の国・ISPで
- 速度制限(スロットリング)
- 通信遮断
- 監視・警告
が行われる場合があります。
P2Pサーバーを使うことでこれらを回避し、安全性を確保できます。
使い方(簡単)
- NordVPNアプリを開く
- サーバーカテゴリから「P2P」を選択
- 表示された国のサーバーに接続するだけ
※特定国を選んで接続することも可能
メリット
- P2P用の高速帯域で快適な通信
- ISPの帯域制限を防ぐ
- IPアドレスがVPNで匿名化され安全性向上
- 転送量が多い用途でも安定しやすい
向いている用途
- トレント(Torrent)
- 分散ファイル共有
- ストリーミング用P2Pアプリ
- ゲームModのP2Pダウンロード など
注意点
- P2P禁止国(例:某中東地域など)では非推奨
- 速度は地域やサーバー負荷で変動
- 違法行為の免責にはならない点は要注意
- 法的に問題のないファイル共有で利用する必要あり
Dedicated IP(専用固定IP)※有料オプション
Dedicated IP(専用固定IP)は、NordVPNが提供する自分専用の固定IPアドレスを割り当てる有料オプションです。
他のユーザーと共有しないため、ビジネス用途やセキュリティ目的での利用に向いています。
概要
- VPN接続時でも常に同じIPで通信できる
- 共有サーバーではなく専用IPアドレスを割り当て
- 通常は年額支払いの追加オプション
- 複数国から選択可能(例:米国、英国、日本など※時期により変動)
なぜDedicated IPが必要なのか
共有IPでは多数の利用者が同じIPを使用するため、
- ログイン試行の制限
- CAPTCHA多発
- 銀行サイトやBtoBシステムのブロック
などが起きやすくなります。
Dedicated IPなら、「VPN経由でも普通の自宅回線のように扱われる」メリットがあるため、上記の問題を回避できます。
メリット
- ビジネス利用や企業ネットワークに最適
- VPN利用時のセキュリティチェックの緩和
- ブラックリスト登録リスクが低い
- CAPTCHAが減りログインがスムーズ
- ホワイトリスト指定(固定IP制限サービス)が可能
- 共有IPより信頼性が高い
向いている利用シーン
金融系(銀行・証券)のログイン
- VPN必須のリモートワーク
- 固定IP必須のクラウドサービス接続
- サーバーや社内VPNのアクセス制限
- ゲームサーバーやVoIPの安定利用
- IP制限のあるWeb管理画面への接続 など
デメリット
- 有料オプションで追加費用が必要
- 匿名性は通常の共有IPより低い(=信頼性は高い)
- 複数人で匿名共有する用途には向かない
- 国によって選べるIP数が異なる
利用方法(簡単)
- NordVPNにログイン
- プランにDedicated IPを追加購入
- 割り当て国と地域を選択
- アプリから「Dedicated IP」を選んで接続
まとめ
今回は、NordVPNの特殊サーバーの種類と使い方を、用途別にまとめて解説しました。
Obfuscated Servers(難読化サーバー)は、VPN規制が厳しい国やネットワークで「VPNを使っていること自体」を隠したいときに有効な設定です。
Onion Over VPNは、TorとVPNを組み合わせて匿名性をさらに高めたいときにDouble VPNは「速度よりもセキュリティ重視」で通信経路を二重化したいときに役立ちます。
P2Pサーバーは、P2P通信や大容量ファイルのやり取りを安定して行いたい場合に選ぶべきサーバーで帯域制限やアカウント制限のリスクを下げられるのがポイントです。
Dedicated IP(専用固定IP)は有料オプションですが、固定IPでのログインが必要な業務システムや、銀行・各種Webサービスでの認証トラブルを減らしたい場合に非常に相性が良い選択肢になります。
どの特殊サーバーも「常にオン」にするものではなく、
- 検閲回避なら Obfuscated
- 匿名性重視なら Onion Over VPN / Double VPN
- P2Pなら P2Pサーバー
- ビジネス利用や固定IPが必要なら Dedicated IP
といったように「目的に応じて切り替えながら使う」ことで、速度・セキュリティ・使いやすさのバランスを最適化できます。
NordVPNは通常サーバーだけでも十分高機能ですが、特殊サーバーをうまく使い分けることでより自分の用途に合った安全で快適なインターネット環境を作ることができます。





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