NordVPNはPing値が高い?通信の遅延と対策をわかりやすく解説

オンラインゲームやビデオ通話、リアルタイムでの操作が求められるアプリでは、Ping(応答速度)の低さ=快適さに直結します。

しかし、VPNを使うと「Pingが高くなって遅延するのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、NordVPNを利用した際のPing値の傾向や、遅延が発生する原因、そしてPingをできるだけ下げるための設定や対策について詳しく解説します。

ゲームやリモート作業でもストレスなくVPNを使いたい方は、ぜひ参考にしてください。

そもそもPing値とは?

Ping値(ピンち)とは、通信の応答速度を示す数値です。

具体的には、「自分の端末から送ったデータが、相手のサーバーに届いて戻ってくるまでにかかる時間」をミリ秒(ms)で表します。

Ping値は、操作してから反応が返ってくるまでの速さを表します。

例えば:

  • あなたがゲームで「攻撃ボタン」を押したとき、

  • その指令がサーバーに届いて、相手に反映されるまでの「ラグ(遅れ)」を数値化したものです。

Ping値の目安 体感レベル 用途例
~50ms 非常に快適 FPSゲーム、ビデオ通話
50~100ms 普通 動画視聴、一般的なWeb
100~200ms やや遅延を感じる カジュアルゲーム
200ms以上 遅い リアルタイム通信に不向き

なぜ、NordVPNを使うとPing値が高くなるのか?

NordVPNに限らず、VPNを使うとPing値が高くなるのは仕組み上の理由があります。

1. 通信経路が長くなるため

通常は「あなたの端末 → サイトのサーバー」という直通ルートで通信します。

しかしVPNを使うと、「あなたの端末 → VPNサーバー → サイトのサーバー」というように中継地点(VPNサーバー)を経由します。

この「経由」が増えることで、物理的にも論理的にも距離が長くなり、Ping値が上昇します。

2. 接続先サーバーの物理的な距離

例えば、日本からアメリカのVPNサーバーに接続すると、通信は地球半周レベルの距離を移動します。

距離が遠いほど、物理的にデータの往復に時間がかかり、Ping値は高くなります。

接続サーバー 距離 予想されるPing値
日本サーバー 近い 20~50ms
シンガポール 中距離 50~100ms
アメリカ 遠い 100ms以上

3. サーバーの混雑状況

NordVPNは利用者数が多く、特定のサーバーは混雑しがちです。

混雑したサーバーは、処理が遅くなり応答時間(Ping)が悪化します。

4. プロトコルによる影響

NordVPNでは使用する通信プロトコルによってもPing値が変わります。

プロトコル 特徴 Ping値の影響
NordLynx (推奨) 高速・低遅延 最も低い
IKEv2/IPsec 安定性重視 やや高い
OpenVPN (UDP) バランス型 中程度
OpenVPN (TCP) 安定だが重い 高くなりやすい

5. 回線やルーター環境の影響

古いルーターや安定しないWi-Fi環境だと、VPN通信に必要な処理が追いつかず、Ping値が上がることがあります。

特に「VPNパススルー機能」がないルーターでは、通信処理が遅くなりがちです。

NordVPNのPing値が遅延するときの対策

NordVPNのPing値が高く(遅延して)しまう場合は、以下の対策を試すことで大きく改善できます。

1. サーバー選択を見直す

  • 近距離のサーバーに接続する

    • 日本国内やアジア圏(韓国、シンガポールなど)のサーバーを優先。

    • 長距離(アメリカやヨーロッパ)は高Pingになりやすいです。

  • 混雑していないサーバーを選ぶ

    • アプリの「最適なサーバー」ではなく、手動で空いているサーバーを選びましょう。

    • NordVPNのサーバーリストで、**負荷(Load)**が低いものを選ぶのがポイント。

2. プロトコルを変更する(高速なものに)

NordVPNアプリの設定で、プロトコルを 「NordLynx(WireGuardベース)」 に変更します。

特にオンラインゲームやビデオ通話では、NordLynxが最も低遅延です。

【手順】

  1. NordVPNアプリを開く

  2. 設定 → 自動接続 → VPNプロトコル → NordLynx を選択

3. 通信環境の改善

  • Wi-Fiより有線LAN(イーサネット)接続を使用

    • 有線接続は遅延やパケットロスが起きにくく安定します。

  • ルーターの買い替えや再起動

    • ルーターが古いとVPN通信の処理能力が不足します。

    • 「VPNパススルー」対応のルーターが理想です。

  • 通信混雑の少ない時間帯に利用する

    • 夜間など混雑する時間帯を避けると改善することがあります。

4. 不要なアプリやバックグラウンド通信を停止

同時にデータ通信を行うアプリ(クラウド同期、アップデートなど)は停止。

他の端末の大量通信(動画ストリーミング、ダウンロード)も制限すると効果的です。

5. スプリットトンネル機能の活用

NordVPNの「スプリットトンネル」機能を使うと、特定のアプリだけVPNを通す設定が可能です。

ゲームアプリはVPNを使わず、その他の通信のみVPNを使用すれば遅延が大幅に改善します。

まとめ

NordVPNは、設定と使い方によってはPing値が高くなることがあります。

しかし、近距離サーバー+NordLynx+有線接続などの対策で、低Pingの快適通信も十分に可能です。

オンラインゲームや通話メインで使うなら、これらの設定を積極的に見直しましょう。