「Ivanti VPNって何?Pulse Secureとどう違うの?」「接続方法や導入手順が知りたい」
そんな疑問をお持ちの企業担当者・リモートワーカーの方も多いのではないでしょうか。
Ivanti VPN(旧Pulse Secure)は、企業や教育機関などで広く導入されているリモートアクセス用のVPNソリューションで、在宅勤務や学外からの安全な接続に利用されています。
この記事では、Ivanti VPNの基本的な機能や仕組みから、実際の接続方法、導入時の注意点までをわかりやすく解説します。
「これから導入したい」「接続がうまくいかない」といった方にも役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Ivanti VPNとは?
Ivanti VPNとは、Ivanti社が提供するセキュアなリモートアクセス用のVPNサービスで、主に企業や大学などの法人向けに使われています。
もともとは「Pulse Secure(パルスセキュア)」という名称で提供されていましたが、Ivantiが買収し、現在は「Ivanti Secure Access VPN」として提供されています。
特徴
特徴 | 説明 |
---|---|
エンタープライズ向け | 大企業・大学・政府機関などで広く導入されているVPNソリューション |
多層認証に対応(MFA) | ID・パスワードに加えてワンタイムパスワードなどで高セキュリティ実現 |
クライアントソフトあり | 専用アプリ(Ivanti Secure Access Client)で簡単接続 |
旧Pulse Secureの後継 | UIや機能が似ているため、移行ユーザーも使いやすい |
主な用途
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社外・学外から社内ネットワークや学内システムへ安全に接続するため
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社内ファイルサーバー、業務システム、イントラネット、クラウドなどへの暗号化されたアクセス
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テレワーク、リモート授業、出張時のアクセスなどをセキュアに実現
なぜ、Ivanti VPNが選ばれるのか?
Ivanti VPN(旧Pulse Secure)は、数あるVPNソリューションの中でも、特に法人・教育機関・官公庁などでの採用が多いサービスです。
その理由は、単なる「接続ツール」を超えて、高度なセキュリティ・柔軟な運用性・管理性を兼ね備えている点にあります。
1. 高度なセキュリティ性能
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2段階認証・多要素認証(MFA) に対応しており、不正ログインを防止
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通信内容はすべてSSL/TLSで暗号化され、安全に学内/社内リソースへアクセス可能
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ユーザーごとのアクセス制御が可能で、情報漏洩対策にも有効
2. 大規模環境に強い
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数千〜数万人規模の同時接続に耐えうる設計
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クラスタ構成や負荷分散にも対応し、大規模大学・企業での実績多数
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サーバー側とクライアント側の双方で設定が柔軟にできる
3. 旧Pulse Secureからのスムーズな移行
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IvantiはPulse Secureの技術とユーザー資産を継承
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すでにPulse Secureを導入していた環境では、移行の手間が最小限
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利用者にとっても「操作性やUIに違和感が少ない」ため、導入後の教育コストが低い
4. マルチデバイス対応(Windows / macOS / iOS / Android)
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PCだけでなく、スマートフォンやタブレットでも接続可能
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専用アプリ「Ivanti Secure Access Client」で、どの端末からでも同じ感覚で利用できる
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テレワーク・出張・在宅勤務など、多様な働き方に対応
5. 管理・ログ機能が充実(IT管理者に人気)
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管理コンソールでユーザーの接続状況をリアルタイムに監視
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ログ取得・アクセス履歴の確認・アラート通知など、セキュリティ運用に強い
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Active DirectoryやLDAP連携も可能で、社内システムとの統合もしやすい
Ivanti VPNの接続手順
以下は、Ivanti VPN(Ivanti Secure Access Client)を使用した接続手順の解説です。
Windowsパソコンを例にしていますが、Macやスマホ(iOS/Android)でも基本的な流れは同じです。
Ivanti VPNの接続手順【Windows版】
1. Ivanti Secure Access Client をインストール
インストール方法:
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管理者または組織から配布されたURLやインストーラーを使用
例:https://vpn.yourorganization.ac.jp/dana-na/auth/url_1/welcome.cgi
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もしくは、Ivanti公式サイトから「Ivanti Secure Access Client」をダウンロード(旧:Pulse Secure)
※すでにPulse Secureがインストールされている場合は、そのまま利用できることもあります。
2. 接続プロファイルを作成
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インストール後、アプリを起動
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「+」ボタンや「新しい接続」などを選択
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以下の情報を入力:
項目 | 入力内容の例 |
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接続名 | 任意(例:社内VPN、富山大学VPNなど) |
サーバーURL | 組織指定のVPNアドレス(例:https://vpn.yourdomain.ac.jp ) |
認証方式 | 通常は「ユーザー名+パスワード」、場合により多要素認証あり |
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設定を保存
3. VPNに接続する
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作成した接続先を選択して「接続(Connect)」をクリック
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ユーザー名・パスワードを入力
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多要素認証(MFA)が設定されている場合は、認証コードやアプリ連携が必要
接続が成功すると、VPN経由で社内/学内ネットワークに安全にアクセスできるようになります。
4. 接続中の確認・切断方法
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アプリ上で「接続中」と表示されていればOK
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接続を切りたいときは「切断(Disconnect)」をクリック
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「Ivanti Secure Access」アプリをApp StoreまたはGoogle Playからインストール
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同様にプロファイルを追加し、サーバーURL・認証情報を入力
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接続ボタンをタップ → 認証が完了すればVPNが有効に
Ivanti VPNが接続できない・繋がらない原因と対処法
Ivanti VPN(Ivanti Secure Access Client)を使っても、「接続できない」「すぐ切れる」「ログインできない」などのエラーが起きることがあります。
以下に、よくある原因と対処法を原因別にまとめました。
原因1:サーバーURLが間違っている
よくあるミス:
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URLの「https://」が抜けている
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ドメイン末尾が間違っている(例:
vpn.example.ac.jp
→vpn.example.co.jp
)
対処法:
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組織(大学・企業)から提供された正式なVPNアドレスを再確認
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URLは正確にコピーペーストするのが安全
原因2:ユーザー名またはパスワードの入力ミス
よくあるパターン:
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CapsLockキーがオンになっている
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アカウントがロックされている(複数回のミス)
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統合認証IDではなく別のIDを入力している
対処法:
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IDとパスワードを慎重に再入力(特に大文字・小文字)
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パスワードをリセットする/システム管理者にロック解除依頼
原因3:多要素認証(MFA)が失敗している
状況:
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トークンコードが入力されない
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認証アプリ(Google Authenticatorなど)が連携されていない
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メールやSMS認証が届かない
対処法:
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MFA設定を一度解除→再登録する
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認証アプリやSMSの受信環境を確認
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必要であればIT管理者にリセット申請
原因4:ネットワーク・通信環境が不安定
症状:
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自宅や外出先のWi-Fiで接続が遅い・不安定
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公共Wi-FiでVPNがブロックされている
対処法:
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有線LAN・テザリング・自宅Wi-Fiなど安定した回線に切り替えてみる
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ルーターを再起動してみる
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公共Wi-FiではVPNが使えない場合あり(ポート制限)
原因5:ファイアウォールやセキュリティソフトが干渉している(PC)
説明:
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Windows Defenderやウイルス対策ソフトがVPNアプリの通信をブロックしていることがあります
対処法:
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Ivanti Secure Access Clientをファイアウォールの「許可アプリ」に追加
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一時的にセキュリティソフトを無効化して接続できるか確認
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組織ネットワーク上で使用制限がかかっていないか確認
原因6:IvantiクライアントやOSが古い
症状:
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接続してもすぐ切れる/ログイン前にエラー表示
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Windowsのアップデート後に急に使えなくなった
対処法:
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最新バージョンの Ivanti Secure Access Client にアップデート
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Windows/Macのシステムアップデートも確認
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旧Pulse Secureを併用している場合は、アンインストール+再インストールが必要なことも
原因7:サーバー側の障害・メンテナンス
対処法:
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VPN接続先(大学・企業)のお知らせページやIT部門からの通知を確認
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サーバーの定期メンテナンス・障害発生中であれば、復旧を待つしかありません
エラーが出るときのヒント
エラー内容の例 | 推定される原因 |
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“認証に失敗しました” | ID・パスワード、MFA設定ミス |
“サーバーに接続できません” | URL間違い/ネット障害 |
“接続後すぐ切れる” | 通信不安定/ソフト干渉 |
“許可されていないユーザーです” | アカウント権限の問題 |
まとめ
Ivanti VPNは、堅牢なセキュリティと柔軟な接続管理を両立した法人向けVPNソリューションです。
Pulse Secureの後継としての安定性と、マルチデバイス対応・MFA統合といった機能で、大規模導入にも強い設計になっています。
初期設定さえ済ませてしまえば、ユーザー側は簡単な操作で社内・学内の安全なネットワークにアクセスできます。
これからリモートアクセス環境を整備したい方は、Ivanti VPNの導入をぜひ検討してみてください。
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