リモートワークや社内ネットワークへのアクセスに欠かせない「FortiClient VPN」ですが、いざ使おうとしたときに「接続できない」「認証エラーが出る」「永遠に“接続中”のまま」などのトラブルに直面することは珍しくありません。
こうした接続トラブルの原因は、設定ミス・ネットワーク環境・OSとの相性・VPNポリシー違反などさまざま。
ですが、落ち着いて一つずつ確認していけば、自分で解決できるケースも多いのです。
この記事では、FortiClient VPNが繋がらないときの主な原因と、その具体的な対処法をWindows・Macそれぞれの視点からわかりやすく解説します。
急ぎで社内ネットワークに接続したい方も、まずは本記事の手順をチェックしてみてください。
目次
FortiClient VPNに接続できない原因と対処法
FortiClient VPNが接続できない場合、主に以下のような原因が考えられます。
1、ユーザー名・パスワードの入力ミス
FortiClient VPNが接続できない原因としてもっとも多いのが、ログイン情報の誤入力です。
特にテレワークや複数環境での運用が増えている中で、一時的にパスワードが変更された・アカウント体系が切り替わったなどの事情も起こりがちです。
よくあるミスは、
-
スペルの打ち間違い(lと1、Oと0など)
-
コピー&ペースト時に余計な空白が入っている
-
Caps Lockがオンのままになっている
-
ドメイン名を含む場合の書式ミス(例:
user@example.comやdomain\username)
です。
対処法は、次のとおりです。
1、すべて手入力で再試行
コピペでうまくいかない場合、必ず手入力で入力し直すことが推奨されます。末尾や先頭に見えない空白が入っていることもあるためです。
2、Caps Lockキー・キーボードレイアウトを確認
英語配列と日本語配列の切り替えに注意。Caps Lockが有効だと全く別の文字列になります。
3、パスワードの有効期限が切れていないか確認
一部の企業環境では、定期的にVPN用のパスワード更新が求められる場合があります。社内システムやメールなど他のサービスにもログインできない場合は、パスワード変更の可能性大です。
4ドメイン指定が必要か確認(企業向け)
ログイン時に「ドメイン\ユーザー名」や「メールアドレス形式」での入力が必要なことがあります。管理者からの接続マニュアルを再確認してください。
同じアカウントで複数端末から同時に接続できない場合もあるため、他の端末の切断もお忘れなく。
2、インターネット接続が不安定または遮断されている
FortiClient VPNは、安定したインターネット接続があってはじめて機能します。
そのため、Wi-Fiやモバイル回線が不安定だったり、社内ネットワークの制限がある場合、VPN接続に失敗する原因になります。
よくある症状は、
-
「接続中」のまま進まない
-
接続できてもすぐ切断される
-
特定のネットワーク(例:公共Wi-Fi)だけで接続できない
です。
対処法は、次のとおりです。
1、通常のインターネット接続を確認
まず、VPNを介さずにインターネットに接続できているか確認します。
- GoogleなどのWebサイトが開けるかチェック
- 動画やストリーミングがスムーズに再生されるかも目安になります
2、Wi-Fiルーターを再起動
一時的な不具合の場合、Wi-Fiルーターの再起動だけで回復することもあります。
電源を切って10秒ほど待ってから再起動してみてください。
3、モバイル回線/テザリングを切り替えて試す
自宅のWi-Fiでうまくいかない場合、スマホのテザリングを使って接続できるか試してみてください。
逆に、モバイル回線(5Gなど)で接続できない場合はWi-Fiに切り替えて再確認。
4、公共Wi-Fi・学内/社内ネットワークでの制限を確認
カフェやホテル、学校のネットワークではVPN接続自体が制限されているケースがあります。
このような環境では「SSL VPN」や「IPSecポート」がブロックされ、正常に動作しません。
5、セキュリティソフトやフィルタリング設定を一時的に確認
ウイルス対策ソフトやペアレンタルコントロールがインターネット通信を制限している場合があります。
一時的にソフトを無効化して接続できるか確認してみてください(※再度有効化を忘れずに)
特にモバイルWi-Fiや混雑時間帯の通信制限にも注意。回線速度が極端に落ちるとVPNが安定しません。
3、VPN接続先の設定ミス(アドレス・ポート)
FortiClient VPNに接続するには、接続先のサーバー情報(リモートゲートウェイ)やポート番号などを正しく設定する必要があります。
これらの情報が一文字でも間違っていると、接続自体ができなかったり、“接続中”のまま止まる原因になります。
よくあるミスは、
-
リモートゲートウェイのドメイン名やIPアドレスの打ち間違い
-
ポート番号の記載漏れ、誤入力(例:10443 → 443 など)
-
接続方式(SSL-VPN / IPSec)を誤って選択している
-
会社側の設定変更により、既存のプロファイルが古くなっている
です。
対処法は、次のとおりです。
1、プロファイルの接続情報を再確認
FortiClientを開き、[VPN] → 対象の接続プロファイルを編集し、以下をチェック:
-
リモートゲートウェイ(Remote Gateway)
→ 例:「vpn.example.com」や「203.0.113.1」など。間違いがないか再確認。 -
ポート番号(Port)
→ 通常は「443」や「10443」などを使用。セキュリティのために変更されている場合もあるため、社内のIT部門に確認。 -
接続タイプ(SSL-VPN / IPSec)
→ 間違ったタイプを選択すると接続できません。正しい方式かどうか要確認。
2、DNS解決エラーが出る場合はIPアドレスで試す
「ホストが見つからない」「名前解決できない」などのエラーが出る場合、一時的にIPアドレスで接続できるか試すことで原因を切り分けられます。
3、プロファイルを一度削除して作り直す
設定が壊れている・保存内容が反映されない場合、接続プロファイルを一度削除して最初から作り直すと改善することがあります。
会社から配布されたマニュアル、またはIT部門から提供された接続情報を常に参照してください。
4、FortiClient VPNが最新バージョンでない
FortiClient VPNは定期的にアップデートされており、古いバージョンを使い続けていると、サーバーとの互換性エラーや不具合、セキュリティ上の問題で接続できない場合があります。
特に、会社側のVPNゲートウェイ(FortiGate)が更新されていたり、TLSのバージョンが変更された場合、古いクライアントでは正常に接続できなくなることがあります。
よくある症状は、
-
「接続中」のまま停止
-
接続してもすぐ切断される
-
エラーメッセージなしでVPNが落ちる
-
特定のOSバージョン(例:Windows 11)でのみ不具合が出る
です。
対処法は、次のとおりです。
1、FortiClientのバージョンを確認
FortiClientのウィンドウ左下にある「バージョン情報」または「About」を開くと、現在のバージョン番号が確認できます。
例:「FortiClient VPN v7.2.4.####」
2、公式サイトから最新版を入手
Fortinet公式ダウンロードページ:
https://www.fortinet.com/support/product-downloads
以下の手順でアップデートを行います:
-
現在のFortiClientをアンインストール
-
PCを再起動(推奨)
-
最新版インストーラをダウンロード&インストール
-
接続プロファイルを再設定(必要に応じて)
※注意:社内ルールや管理ポリシーでFortiClientのアップデートが制限されている場合、IT部門に相談してください。
バージョンアップによって一部の設定仕様が変わることもあるので、再設定マニュアルがあれば合わせて確認しましょう。
5、ファイアウォールやセキュリティソフトが干渉している
FortiClient VPNは、インターネット上のサーバーと特定のポート(例:443、10443など)で通信を行います。
しかし、PC側で設定されているファイアウォールやセキュリティソフトがこの通信をブロックしてしまうと、VPNの接続が失敗する原因になります。
よくある兆候は、
-
VPNが「接続中」のまま動かない
-
明確なエラーメッセージなしに失敗する
-
他のPCやスマホでは接続できるが、自分の端末だけ繋がらない
です。
対処法は、次のとおりです。
1、WindowsファイアウォールでFortiClientを許可する
-
「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「Windows Defender ファイアウォール」へ
-
左メニュー「アプリまたは機能をWindowsファイアウォールで許可」をクリック
-
一覧から「FortiClient VPN」を探し、「プライベート」と「パブリック」にチェックが入っているか確認
-
チェックがない場合、「設定の変更」ボタンで追加する
2、セキュリティソフト(ウイルス対策)の例外設定を確認
ウイルスバスター、ノートン、カスペルスキーなどのウイルス対策ソフトがVPN接続をブロックすることがあります。
該当ソフトの設定画面で「FortiClient VPN」アプリを信頼済みアプリに追加するか、ポート443などを通過可能にする必要があります。
3、一時的に無効化して試す(最終手段)
セキュリティソフトを一時的に無効化して、VPN接続ができるかを確認します。
無効化で接続できる場合、そのソフトの影響であると判断できます。
※この方法はリスクも伴うため、信頼できるネットワークでのみ短時間のテストとして使用してください
特に、サードパーティ製のセキュリティソフトは自動でVPN通信を“危険”とみなして遮断することもあるため注意が必要です。
6、DNS設定やプロキシの影響
VPN接続では、サーバー名(例:vpn.example.com)を正しくIPアドレスに変換するためにDNS(ドメインネームシステム)の動作が不可欠です。
また、PCのネットワーク設定でプロキシサーバーが有効になっていると、VPN通信が遮断・妨害されることがあります。
特に企業ネットワークや公共Wi-Fi、セキュリティソフト経由の接続では、これらの設定が接続エラーの原因になっていることがよくあります。
よくある症状は、
-
「ホストに接続できません」「名前解決に失敗しました」と表示される
-
IPアドレス直打ちでは繋がるが、ドメイン指定では繋がらない
-
接続しても社内リソースにアクセスできない
-
VPN接続は成功しているのに、ネットが繋がらないように見える
です。
対処法は、次のとおりです。
1、DNS設定を自動取得に変更する(Windows)
-
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更」
-
使用中のネットワークアダプターを右クリック →「プロパティ」
-
「インターネットプロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)」を選択 →「プロパティ」
-
「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」にチェックを入れる(カスタムDNSが設定されている場合、VPN接続時に干渉することがあります)
2、公開DNS(例:Google DNSなど)に変更してみる
自動取得で不安定な場合は、以下のような安定性の高いDNSを設定してみるのも一案です。
-
Google DNS:
8.8.8.8/8.8.4.4 -
Cloudflare DNS:
1.1.1.1/1.0.0.1
3、プロキシ設定を無効にする
-
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」
-
「自動的にプロキシ設定を検出する」をオフ
-
「手動プロキシ設定を使う」もオフにする
VPN通信はプロキシを経由しない設計のことが多く、プロキシ設定が干渉すると接続エラーやルーティングミスが発生します。
一部のセキュリティソフトも独自のプロキシを挿入して通信を監視する機能があるため、一時的に無効化して原因を切り分けるのも有効です。
7、サーバー側の問題(メンテナンス・障害)
FortiClient VPNの設定やネット環境に問題がなくても、VPNサーバー(FortiGateなど)側で障害が発生していたり、メンテナンス中である場合、接続できないことがあります。
この場合、ユーザー側でいくら設定を見直しても解決できません。
よくある症状は、
-
エラーメッセージなしで接続できない(無反応)
-
同じ設定でも他の端末でも繋がらない
-
時間帯や日によって接続の成功・失敗が変わる
-
同僚や他の社員も同時に接続できていない
です。
対処法は、次のとおりです。
1、同僚やチームメンバーにも確認する
自分だけが接続できないのか、全体的な問題なのかをまず判断します。
複数人が同時に接続できていない場合は、サーバー障害や設定変更の可能性が高いです。
2、社内の情報システム部門やVPN管理者に問い合わせる
FortiGate側で一時的な再起動、設定変更、メンテナンスをしている場合があります。
アクセスログを確認してもらえば、何が原因か絞り込みが可能です。
3、運用中の通知手段(Slack・Teams・メール等)を確認
メンテナンスや障害情報が事前・事後に共有されている可能性があります。
一部では、特定の国やIPアドレスからのアクセスを制限している場合もあるため、出張・リモート先での利用時は注意が必要です。
まとめ
FortiClient VPNが接続できない原因は、「入力ミス」や「ネットワーク不良」といった単純なものから、「サーバー側の障害」や「セキュリティソフトの干渉」など、見えにくい要因まで多岐にわたります。
まずはユーザー名・パスワードの確認やインターネット接続の安定性を見直し、VPN接続先の設定・アプリのバージョン・PCのセキュリティ設定などを順にチェックしていくことが、スムーズな復旧につながります。
それでも解決しない場合は、自分の端末だけでなく、他のユーザーも接続できているかを確認し、社内のネットワーク管理者に連絡を取るのが確実です。
トラブル時も慌てず、ポイントを一つずつ整理して対応することが重要です。





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