プライバシー重視のブラウザとして知られる「Brave」が提供するVPNサービス、それがBrave VPN(正式名称:Brave Firewall + VPN)です。
広告ブロックやトラッキング防止などに強いBraveブラウザに統合されているこのVPN機能は、「スマホ1台で安全な通信環境を実現したい」というユーザーから注目を集めています。
しかし、「Brave VPNは本当に安全なの?」「他のVPNとどう違う?」「日本でも使えるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Brave VPNの特徴・料金・対応デバイス・安全性などをわかりやすく解説し、他のVPNとの違いや実際の使い方まで詳しく紹介していきます。
Brave VPNとは
Brave VPN(正式名称:Brave Firewall + VPN)は、プライバシー重視で知られる「Braveブラウザ」に統合されているVPNサービスです。
主にスマートフォン(iOS/Android)向けに提供されており、オンライン通信を暗号化してプライバシーを保護する機能を持っています。
一般的なVPNサービスと同様に、Brave VPNを使うことで次のような効果が得られます。
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通信内容を暗号化し、公共Wi-Fiなどでも安全にインターネットが利用できる
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利用中のIPアドレスを隠し、位置情報や個人情報の漏洩を防ぐ
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追跡型広告やトラッカーからのプライバシー侵害を防止する
Brave VPNは、VPNの基本機能に加えてファイアウォール機能もセットになっている点が特徴的です。
これにより、端末単位でのトラフィック監視・悪意ある通信の遮断など、より強力なプライバシー保護が実現されています。
項目 | 内容 |
---|---|
対応デバイス | iOS、Android、PC(Braveブラウザ拡張) |
提供元 | Brave Software, Inc.(アメリカ) |
同時接続可能台数 | 最大5台まで |
料金 | 月額制・年額制プランあり(有料、無料トライアルあり) |
サーバー拠点数 | 世界30カ国以上 |
暗号化方式 | 業界標準の強力な暗号化(詳細は非公開) |
ログポリシー | ノーログポリシー(ユーザー活動の記録なし) |
Brave VPNのメリット
ここからは、Brave VPNのメリットを解説していきます。
1. Braveブラウザとシームレスに連携できる
Brave VPNは、Braveブラウザの設定画面から直接オン・オフを切り替えられるため、アプリを別途インストールする必要がありません。
スマートフォンでもPCでも、ブラウザ経由で簡単にVPN機能を管理できる点は大きな利便性です。
2. 通信の暗号化+ファイアウォールで強力に保護
通常のVPNが「通信の暗号化」だけに対応しているのに対し、Brave VPNはファイアウォール機能も組み込まれています。
これにより、端末全体のデータ通信(アプリ通信も含む)を監視し、不審なトラフィックを自動でブロックできるのが特徴です。
3. ノーログポリシーを採用
Braveは「ユーザー第一」を掲げる企業方針のもと、VPN利用中の通信記録や閲覧履歴を一切保存しないと公言しています。
匿名性やプライバシー重視のユーザーにとって、安心して使える仕組みです。
4. 5台まで同時接続可能
1つのアカウントで最大5台のデバイスに接続できるため、スマホ・タブレット・PCなど複数端末をまとめて保護できます。
5. 広告・トラッキング対策との相性が抜群
Braveブラウザ自体が広告ブロック・トラッカーブロックに強いため、VPN機能と合わせることで、さらに高レベルなプライバシー防御が可能になります。
Brave VPNのデメリット
ここからは、Brave VPNのデメリットを解説していきます。
1. サーバー数・国数は大手VPNより少ない
Brave VPNは世界30か国以上にサーバーを持っていますが、ExpressVPNやNordVPNのような100か国規模の大手VPNに比べると拠点数は少なめです。
そのため、特定地域向けの配信サービス解除(ジオブロック解除)目的では選択肢が限られることがあります。
2. VPN単体契約ができない
Brave VPNはBraveブラウザとセットで提供されるサービスのため、「VPNだけ契約したい」「ブラウザは別のものを使いたい」というニーズには向きません。
Braveブラウザをベースに使う前提となります。
3. PC版はブラウザ内限定(現時点)
PC版Brave VPNは、ブラウザ経由の通信は守れますが、PC全体の通信をカバーするわけではありません(2025年4月時点)。
スマホ版(iOS/Android)は端末全体をカバーできますが、PCではあくまで「ブラウジング保護」が中心になります。
4. 価格が若干高め
Brave VPNの料金は月額制または年額制ですが、一般的なVPNサービスと比べて若干割高な印象があります。
コスト重視の人には、もう少し安価な他VPN(Surfsharkなど)も候補に入るかもしれません。
Brave VPNの安全性
Brave VPNは、Braveブラウザを開発するBrave Software社が提供しており、プライバシーとセキュリティを最重視する設計思想がベースにあります。
ここでは、Brave VPNの安全性について、具体的なポイントを整理して解説します。
ノーログポリシーを採用
Brave VPNは、ユーザーの接続記録・閲覧履歴・通信内容を一切保存しない(ノーログポリシー)を公式に明言しています。
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どのウェブサイトを閲覧したか
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どのIPアドレスに接続したか
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どのアプリと通信したか
こうした情報はBrave側にも残りません。
そのため、万一第三者から情報開示請求があったとしても、提供できるデータが存在しない仕組みになっています。
プライバシー重視派にとっては、非常に安心できる設計です。
強力な暗号化技術
Brave VPNでは、業界標準となっているAES-256ビット暗号化を採用しています。
これは、軍事レベルでも使用される非常に強固な暗号化方式であり、通常の通信傍受やハッキングでは内容を解読できません。
また、通信プロトコルには安全性と速度を両立した設計が施されており、公共Wi-Fiなどリスクの高い環境でも通信内容を安全に保つことができます。
ファイアウォール機能による保護
Brave VPNは、VPN機能に加えてファイアウォール機能も標準搭載しています。
これにより、端末のすべての通信(ブラウザだけでなくアプリ通信も含む)を監視し、危険な接続をリアルタイムでブロックできます。
例えば、
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不審なサーバーとの通信遮断
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マルウェア配信元との接続拒否
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個人情報を漏洩させるアプリの検出・制御
などが自動で行われるため、単なるVPN以上の総合的なセキュリティ対策が期待できます。
外部監査やオープンソース化については?
現時点(2025年4月)では、Brave VPN自体の外部監査レポートやコードのオープンソース化は発表されていません。
ただし、Brave Software社はブラウザ事業においては透明性報告書の公開やオープンソース開発を進めており、VPN部門でも将来的な監査実施が期待されています。
この点に関しては、ExpressVPNやNordVPNなど大手VPNと比べると「監査実績がまだ少ない」というのが正直な評価です。
Brave VPNと他社VPNサービスの比較
Brave VPNはプライバシー重視で魅力的な選択肢ですが、ExpressVPN、NordVPNといった定番VPNサービスと比べると、いくつか異なる特徴があります。
ここでは、代表的な4つのVPNをわかりやすく比較します。
項目 | Brave VPN | ExpressVPN | NordVPN |
---|---|---|---|
対応デバイス | iOS / Android / PC(Braveブラウザ内) | PC / スマホ / ルーターなど広範囲 | PC / スマホ / ルーターなど広範囲 |
利用可能台数 | 最大5台 | 最大8台 | 最大6台 |
料金の目安 | 月額約9.99ドル | 月額約12.95ドル | 月額約11.99ドル |
サーバー国数 | 約30カ国 | 約94〜105カ国 | 約110カ国 |
ノーログポリシー | 採用(公式表明) | 採用(外部監査済み) | 採用(外部監査済み) |
ファイアウォール機能 | あり(標準搭載) | なし(VPN機能単体) | なし(オプションでセキュリティ機能あり) |
通信速度 | 十分速い(一般用途向け) | 非常に高速(ゲーム・4K対応) | 最高速クラス(NordLynxプロトコル) |
特徴 | Braveブラウザと一体型・ファイアウォール標準搭載 | 高速+安定性+初心者向け設計 | 高速+高機能(ダブルVPNなど) |
各サービスの特徴を整理すると次のとおりです。
Brave VPNの特徴
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Braveブラウザ利用者向けに最適化
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アプリ不要で手軽にVPN接続
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ファイアウォール機能標準搭載
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サーバー数・地域数は控えめ
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PCではブラウザ通信のみを保護(端末全体VPNではない)
ExpressVPNの特徴
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世界中に強力なサーバーネットワーク
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高速通信でゲーム・ストリーミングにも最適
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使いやすさ・安定性重視
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外部監査済みの高い透明性
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価格はやや高め
NordVPNの特徴
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独自の高速プロトコル(NordLynx)で最高速
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ダブルVPN・専用IPなど機能が豊富
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セキュリティ機能も強力
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長期契約で大幅割引がありコスパ良好
まとめ
人に向いているVPNタイプ | おすすめサービス |
---|---|
Braveブラウザを日常使いしていて、手軽にVPNを使いたい | Brave VPN |
高速・安定性重視、世界中で快適にゲーム・動画視聴したい | ExpressVPN |
速度+高機能(ダブルVPN・専用IP)も求めたい | NordVPN |
コスパ重視、家族や複数端末でたくさん使いたい | Surfshark |
Brave VPNは「Braveブラウザと一緒にシンプルにVPNを使いたい人」には最適ですが、より広範なサーバー選択や端末全体のVPN接続を重視するなら、ExpressVPNやNordVPNも検討すると良いでしょう。
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