「VPNを使っていれば、ブルートフォース攻撃からも安全?」
パスワードを総当たりで突破しようとする「ブルートフォース攻撃」は、近年クラウドサービスやVPN接続に対するサイバー攻撃の中でも特に多い手口の一つです。
一方で、「VPNを導入しているから安心」と思っている方も多いかもしれませんが、VPN自体が攻撃対象になるケースや、誤った認識でセキュリティが甘くなるリスクも存在します。
本記事では、ブルートフォース攻撃の基本的な仕組みを解説しつつ、VPNで守れる範囲・守れない範囲を明確にし、効果的な対策方法を具体的に紹介します。
個人・法人問わず、安全なVPN運用をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ブルートフォース攻撃とは?
ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)とは、パスワードや暗号鍵などを片っ端から総当たりで試すことで突破しようとする攻撃手法です。
「brute force=力ずく」の名の通り、辞書やランダムな文字列を何千・何万通りも自動で試行してログインや認証を狙います。
代表的な対象
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ログインページ(メール、SNS、VPN、WordPress管理画面など)
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SSH・RDPなどのリモート接続サービス
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暗号化ZIP・PDFファイルのパスワード解除
よくあるブルートフォース攻撃の種類
| 攻撃タイプ | 内容 |
|---|---|
| クラシック型 | aaaaa → aaaab → … のように完全な総当たり |
| 辞書型(dictionary) | よく使われるパスワード一覧を順番に試す |
| ハイブリッド型 | 辞書+数字・記号などの組み合わせを試す |
なぜ危険なのか?
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短くて単純なパスワード(例:123456、qwerty)はすぐに突破される
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アカウントを乗っ取られれば、個人情報漏えい・なりすまし・企業の内部侵入につながる
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ボットを使えば人間の手では不可能な回数・速度で試行可能
現代では自動化が進化
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現在では数秒で何千回も試せるツール(例:Hydra、Medusa)が存在し、攻撃効率が飛躍的に上昇。
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クラウド上のサーバーやVPNゲートウェイが無差別に狙われるケースも増加中。
VPNで守れるブルートフォース攻撃の範囲
VPNは非常に有効なセキュリティツールですが、万能ではないため、守れる範囲と守れない範囲を正しく理解することが重要です。
1. ネットワーク盗聴からのパスワード窃取を防ぐ
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VPNは通信内容を暗号化(例:AES-256)するため、通信経路上でログイン情報が傍受されるのを防ぐことができます。
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これにより、ブルートフォース攻撃の“素材”(IDやパスワード)が盗まれるのを抑止できます。
【例】公共Wi-Fiでのログイン時、VPNがなければ盗聴されやすく、そこから総当たり攻撃の材料になる可能性も。
2. VPNサーバー自身をファイアウォール代わりにできる
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自社VPN(オンプレ型やクラウドVPN)を使っている場合、外部からのブルートフォース攻撃をVPNで遮断することが可能です。
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VPN経由で社内ネットワークにアクセスを限定すれば、SSHや管理画面などの攻撃対象をインターネット上に晒さずに済む。
3. IPアドレスの秘匿でターゲットにされにくくなる
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VPNを使うことで実際のIPアドレスが外部に漏れず、サーバーや端末の所在が特定されにくくなります。
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攻撃者がIPを特定できなければ、ブルートフォース攻撃の「標的リスト」に入りにくくなります。
まとめ
ブルートフォース攻撃とは、IDやパスワードを総当たり(brute force)で何万通りも試して突破しようとする攻撃手法です。
近年は、個人のアカウントだけでなく、VPN・クラウド・リモート接続環境なども標的になっており、対策が急務。
VPNと併用できる有効な対策方法は、次のとおりです。
| 対策項目 | 内容 |
|---|---|
| パスワード強化 | 英数字+記号を含む12文字以上が推奨 |
| アカウントロック機能 | 一定回数ログイン失敗でアカウントを一時ロック |
| 多要素認証(MFA) | パスワードに加えてワンタイムコードや認証アプリを導入 |
| IPアクセス制限 | 国・地域・特定IPからのアクセス以外を遮断 |
| ログ監視・通知設定 | 不審なログイン試行があった際に管理者に通知 |
ただし、VPNは、ブルートフォース攻撃の「入り口」を減らす強力な防御策の一部として機能しますが、それ単体では完全に防げるわけではありません。
総合的なセキュリティ対策(MFA、アクセス制限、パスワードポリシーの強化)と組み合わせることで、初めて実効性の高い防御が実現します。





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