「1.1.1.1ってVPNなの?DNSって何が違うの?」
スマホやPCで「1.1.1.1」という名前を見かけたことがあるけれど、正直よくわからない…そんな方も多いのではないでしょうか。
Cloudflareが提供する「1.1.1.1」は、通信の安全性や速度向上を目的とした無料のDNSサービス&VPN機能(Warp)を兼ね備えたアプリです。
ただし、一般的なVPNとは少し違う仕組みのため、正しく理解して使うことが大切です。
この記事では、1.1.1.1は本当にVPNなのか?DNSとの違いは?Warpモードって何?といった疑問に対して、初心者にもわかりやすく解説します。
「セキュリティを強化したい」「無料で通信を少しでも快適にしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.1.1.1とは?基本は「高速DNSサービス」
まず「1.1.1.1」は、Cloudflare社が提供している無料のパブリックDNSサーバーです。
DNSとは、私たちが普段使っている「www.google.com」などのドメイン名を、サーバーの住所(IPアドレス)に変換するシステムのこと。
この変換が速ければ速いほど、Webサイトの表示スピードも速くなる傾向があります。
Cloudflareの1.1.1.1は、このDNS変換を超高速・プライバシー保護型で行うことを目的としたサービスです。
メリット
1.1.1.1のDNSのメリットは、次のとおりです。
-
通信が速くなる
→ 非常に高速なDNS応答。Webページの読み込みが早くなることがある。 -
プライバシー保護に強い
→ 利用者のIPや履歴を記録しない「ノーログポリシー」あり。追跡されにくい。 -
安定していて信頼性が高い
→ 世界中にサーバーを持つCloudflareが運営。大規模サービスで安心。 -
誰でも無料で使える
→ スマホでもパソコンでも設定可能。専用アプリ(1.1.1.1)もあり。 -
広告ブロック機能との併用も可能
→ 他のDNSフィルターと組み合わせれば、より快適なネット環境に。
VPNではない?でも「Warp」でVPN的な機能が使える
1.1.1.1のアプリには、「Warp(ワープ)モード」という通信保護機能があります。
これは、DNSの枠を超えて、インターネット通信全体を暗号化してセキュアにする機能です。
つまり、1.1.1.1は:
モード | 機能内容 |
---|---|
DNSモード | DNSだけを高速・安全にする |
Warpモード | DNSに加えて通信全体を暗号化 |
Warp+ モード | Warpに加えてCloudflareのネットワーク最適化(有料) |
Warpモードをオンにすれば、一部のVPNと同様に通信内容が保護され、公共Wi-Fiなどでも安全にネットが使えるようになります。
Warp+ モードは、月200〜400円ほどで利用できる有料プランです。
次のメリットがあります。
-
通信が速くて安定する
→ Cloudflareの高速ネットワーク(Argo)で、遅延や混雑を回避。 -
混雑時でもスムーズ
→ 通信の優先ルートを使えるので、夜間や週末も快適。 -
プライバシー保護はそのまま
→ Warpと同じく通信を暗号化、ログも残らず安心。
1.1.1.1と一般的なVPNの違い
比較項目 | 1.1.1.1(Warp) | 一般的なVPN |
---|---|---|
通信の暗号化 | あり(Warpモード時) | あり |
IPアドレスの変更 | 基本的に変更されない | 変更される(国を選べる) |
地域制限の回避 | 対応していないことが多い | 対応(Netflixなども見られる) |
通信速度 | 比較的速い | VPNによっては遅くなることも |
料金 | 基本無料(Warp+は有料) | 多くは有料(月額制など) |
VPN(仮想プライベートネットワーク)を使うと、地域制限(ジオブロック)を回避できます。
メリットは、次のとおりです。
1. 海外限定の動画・サービスが見られる
-
海外のNetflix、Hulu、Disney+などの日本未配信コンテンツを視聴可能
-
日本では非公開のYouTube動画や公式配信も見られる
2. 日本国外から日本のサービスにアクセスできる
-
海外在住中でも、日本のテレビ、動画配信(TVer、AbemaTVなど)が視聴できる
-
楽天、Amazonなど国内サービスで地域制限がある場合にも有効
3. 価格差を回避できる場合がある
-
一部のオンラインサービスやソフトウェアでは、地域ごとに価格が異なる(例:為替差や現地価格)
-
VPNを使えば、より安い国の価格で購入できるケースも(※利用規約に注意)
4. 検閲・ブロックされている国でも自由にネットが使える
-
中国や中東など、SNSやニュースサイトが制限されている国でも、VPNを使えば自由にアクセスできる
-
表現の自由・情報収集において非常に有効
1.1.1.1を設定する方法(DNS設定)
1.1.1.1を設定する方法(DNS設定)をスマホ・PC別にまとめています。
【スマートフォンで使う方法】
方法1:アプリを使って簡単設定(おすすめ)
Cloudflare公式の無料アプリ「1.1.1.1: Faster & Safer Internet」を使えば、数タップでDNS設定+Warp機能が使えます。
手順(iPhone / Android 共通):
-
App Store または Google Play で「1.1.1.1」アプリをインストール
-
アプリを開いて、利用規約に同意
-
画面中央のスイッチをONにするだけで完了
→ Warpモードを使う場合は「Warp」または「Warp+」を選択
※Wi-Fiでもモバイル回線でも自動で適用されます。
方法2:手動でDNSを設定する(Warpなし)
iPhoneの場合:
-
設定 → Wi-Fi → 使用中のネットワークをタップ
-
「DNSを構成」→「手動」に変更
-
DNSサーバーに「1.1.1.1」と「1.0.0.1」を追加
-
保存して完了
Androidの場合(バージョンによる):
-
設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi
-
接続中のWi-Fi → 詳細 → IP設定 → 静的
-
DNS 1に「1.1.1.1」、DNS 2に「1.0.0.1」を入力
-
保存して完了
【パソコンで使う方法】
Windows 10 / 11の場合:
-
コントロールパネル → ネットワークとインターネット
-
「アダプターのオプションを変更」→ 使用中のネットワークを右クリック
-
「プロパティ」→「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選択
-
「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェック
-
優先DNSサーバー:1.1.1.1
代替DNSサーバー:1.0.0.1 -
OKで完了
Macの場合:
-
システム設定 → ネットワーク
-
使用中のネットワークを選択 → 詳細
-
「DNS」タブ → +ボタンで「1.1.1.1」「1.0.0.1」を追加
-
適用ボタンを押して完了
まとめ
- 1.1.1.1は基本的にはDNS高速化アプリ
- 「Warpモード」にすれば、VPNに近い暗号化通信が可能
- ただし、IP変更や地域制限回避などの機能はほぼなし
したがって、動画の地域制限を回避したい人や、本格的な匿名アクセスを求める人には、通常のVPNサービスの方が適しています。
一方で、通信の安全性を高めつつ、手軽にインターネットを快適にしたい人には1.1.1.1はとてもおすすめです。
コメントを残す